重要施設の周辺の区域内及び国境離島等の区域内にある土地等が重要施設又は国境離島等の機能を阻害する行為の用に供されることを防止するため、基本方針の策定、注視区域及び特別注視区域の指定、注視区域内にある土地等の利用状況の調査、当該土地等の利用の規制、特別注視区域内にある土地等に係る契約の届出等の措置について定めた「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」(通称、重要土地等調査法)が令和3年6月23日に公布されました。
※令和4年4月1日現在、未施行。(公布の日から起算して1年3月を超えない範囲内で政令で定める日に施行される)
「重要施設」として、防衛関係施設、海上保安庁の施設、生活関連施設(国民生活に関連を有する施設であって、その機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体、財産に重大な被害が生ずるおそれがあると認められるもので政令で定めるもの)と定義された。
「国境離島等」とは、次に掲げる離島として定義された。
一 領海及び接続水域に関する法律(昭和52年法律第30号)第1条第1項の海域の限界を画する基礎となる基線(同法第2条第1項に規定する基線をいい、同項の直線基線の基点を含む。)を有する離島
二 前号に掲げるもののほか、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(平成28年法律第33号)第2条第1項に規定する有人国境離島地域を構成する離島
この法律の中で、内閣総理大臣は、重要施設の敷地の周囲おおむね1000メートルの区域内や国境離島等の区域内の区域で、その区域内にある土地等が当該重要施設の施設機能や当該国境離島等の離島機能を阻害する行為の用に供されることを特に防止する必要があるものを、注視区域として指定することができることとなった。
それに加え、内閣総理大臣は、注視区域に係る重要施設や国境離島等について、その機能が特に重要であり、又はその機能を阻害することが容易であって、他の重要施設や国境離島等による代替が困難である場合には、当該注視区域を、特別注視区域として指定することができることとなった。
そして、特別注視区域内にある土地及び建物(その面積(建物にあっては、床面積。)が200㎡を下回らない範囲内で政令で定める規模未満の土地等を除く。)に関する所有権又はその取得を目的とする権利(以下「所有権等」という。)の移転又は設定をする契約(予約を含み、当該契約に係る土地等に関する所有権等の移転又は設定を受ける者が国、地方公共団体その他政令で定める者である契約その他当該契約による土地等に関する所有権等の移転又は設定後における当該土地等が特定重要施設の施設機能又は特定国境離島等の離島機能を阻害する行為の用に供されるおそれが少ないものとして政令で定める契約を除く。「土地等売買等契約」という。)を締結する場合には、当事者は、次に掲げる事項を、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣に届け出なければならないこととなった。
1 当事者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
2 当該土地等売買等契約の対象となる土地等の所在及び面積
3 当該土地等売買等契約の目的となる土地等に関する所有権等の種別及び内容
4 当該土地等売買等契約による土地等に関する所有権等の移転又は設定後における当該土地等の利用目的
5 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
特別注視区域内にある土地等について、上述する事由により土地等売買等契約を締結したときは、当事者は、当該土地等売買等契約を締結した日から起算して二週間以内に、第一項各号に掲げる事項を、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に届け出なければならないことになりました。
上記の規定に違反して、届出をしないで土地等売買等契約を締結したとき、届出をしなかったとき、届出について、虚偽の届出をしたときは、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処される。
今後の施行スケジュールに注視したいところである。
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