生活困窮者支援

生活保護申請・生活福祉資金・総合支援資金・緊急小口資金など

1 生活保護の申請支援

(1)生活保護について

 生活保護には、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助及び葬祭扶助の8種類があります。(生活保護法第11条)それぞれの種類について、その算定方法が保護の基準で定められています。

 ①生活扶助:衣食住を含む最も基本となる扶助。

 ②教育扶助:義務教育である小中学校の教育に伴って必要となる費用に対する扶助。高校教育の場合は、生業扶助により支給される。

 ③住宅扶助:住まいにかかる費用に対する扶助。借家の場合は、家賃相当額が認定されることになるが、地域別に限度額が設定されています。

 ④医療扶助:国民健康保険と同水準の医療を保障するものです。扶助の方法は、直接医療サービスを受けるという現物給付となります。

 ⑤介護扶助:介護保険制度における第1号被保険者及び第2号被保険者は介護保険の自己負担分が扶助で賄われます。

 ⑥出産扶助:分娩及び分娩に伴い生じる費用を賄うものです。

 ⑦生業扶助:資格取得などのための技能取得費、新規就労者のための就職支度費などあります。

 ⑧葬祭扶助:保護使用者が葬儀を行うための費用を賄うものです。

 個々の世帯についての最低生活費は、その8種類の扶助に係る最低生活費を合算したものとなり、必要に応じ単発又は併用して給付されます。

 

(2)最低限の生活費について

 最低限の生活費の考え方は、どうしても主観的なものであり、人それぞれ違うものです。そこで、最低限の生活の保障をするための客観的な基準(最低生活費)が厚生労働大臣により定められています。

 最低生活費は、年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別等による一般的な需要に基づくほかに、健康状態などによるその個人又は世帯の特別の需要の相違並びにこれらの需要の継続性又は臨時性を考慮して定められています。

 

(3)保護の要件について

 世帯員全員が、その利用し得る資産(土地、家屋、貴金属、車両、預貯金、債券、その他の財産)、能力(稼働能力など)、その他あらゆるものを生活の維持のために活用することが保護の要件となります。(生活保護法第4条第1項)

 扶養義務者の扶養、他の法律や制度による保障・援助の活用は、生活保護法による保護支援より優先されます。(同条第2項)しかし、急迫した事由がある場合には、必要な保護・支援を妨げるという趣旨ではないことも明記されています。(同条第3項)

 

(4)申請保護の原則

 生活保護は、申請に基づいて開始されることが原則となっています。申請する権利がある者は、生活保護受給を希望する本人、その扶養義務者、同居の親族とされています。それらの者以外の代理人による保護の申請は認められていないため、我々行政書士に申請手続きを委任して申請することはできません。必ず申請する権利がある者と同席する形で、役所の担当窓口に申請を行います。

 ただし、例外として、本人が急迫した状況にあるときは、保護の実施機関により職権保護が開始されることがあります。

 現行法では、国民に保護請求権を認め、その権利行使の方法として保護の申請を位置づけています。申請があれば、窓口となる福祉事務所は拒否することはできず、保護の要否について審査のうえ、決定しなければなりません。この決定は、保護の迅速な開始という趣旨から、原則、申請から14日以内に申請者に通知しなければならないこととなっています。(生活保護法第24条第3項及び第5項)

 そして、この決定の通知が30日を超えてもなされないときは、保護を行う実施機関が申請を却下したものとみなすことができます。(生活保護法第24条第7項)

 実施機関の決定(申請の却下とみなすものも含む。)に不服があるときは、都道府県知事に対して、審査請求することができます。(生活保護法第64条)

※生活保護制度は、憲法第25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を人々に保障するための最後の砦です。

 

(5)生活保護の停止・廃止と不正受給の認定による保護費の返還・徴収

 

 

2 生活福祉資金貸付制度

 本制度は、低所得者や高齢者、障がい者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。都道府県社会福祉協議会を実施主体として、県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施しています。低所得世帯、障がい者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金(例:就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学、介護サービスを受けるための費用等)の貸付けを行います。

 

(1)貸付対象者

①低所得世帯…資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。

②障がい者世帯…身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。

③高齢者世帯…65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)

 

(2)資金種類、貸付条件

 貸付資金は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類があります。

 これに加え、緊急小口資金という制度もあります。

 ①総合支援資金:失業や減収により生計維持が困難になり、生活再建のための継続的な相談支援を必要とする世帯に対し、資金を貸し付ける事で世帯の自立を支援する貸付制度。

 ②福祉資金:低所得者、障がい者又は高齢者の世帯に対し、資金の貸付と必要な相談支援を行うことで、 経済的自立および在宅福祉、社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度。(技能習得、療養・介護、住宅増改築など)

 ③教育支援金:低所得者世帯を対象に、学校教育法に規定する高校、短大、大学、高等専門学校に就学するのに必要な経費を無利子でお貸しする貸付制度。

 ④不動産担保型生活資金:住み慣れた我が家で老後を送れるように、所有しているお住まいの土地・建物を担保として生活資金をお貸しする貸付制度

 ⑤緊急小口資金:生活困窮世帯が緊急的、かつ、一時的に生計の維持が困難になった場合に、その必要な費用について少額の貸付を行い、生活困窮者自立支援事業等との連携により、当面の課題の解決と世帯の自立の支援を図ることを目的とした貸付制度。

 各資金の概要や貸付条件については、お問い合わせください。

 

(3)連帯保証人と貸付利子

 借入申込者は、原則として連帯保証人を立てることが必要です。連帯保証人を立てない場合でも借入申込をすることができます。

 貸付利子の利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%となります。

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