<令和7年度海事代理士試験>口述試験の体験記
みなさん、こんにちは。来島海事事務所・助手の佐野です。
私事ですが、このたび令和7年度海事代理士試験に合格しました!
来島先生に「試験勉強は順調ですか?」と聞かれるたびに汗をかいていました。
合格できて、安堵しています。
筆記試験については、来島先生がYouTubeでたくさん喋ってくれました。(まだご覧になってない方はこちらから)ですので、本日は、口述試験について私からお伝えできたらと思います。
【試験日と試験時間】
筆記試験の合格通知と一緒に「口述試験時間割表」が同封されてきます。一枠4名16分で試験時間が区切られていて、受験生によって試験時間は異なります。時間は選べませんが、朝早い時間帯と夕方以降の時間帯は(関東)の受験者が割り当てられていて、地方からの遠方組は日帰りできる時間帯に割り当てられている配慮を感じました。

【身体的配慮】
海事代理士試験の受験願書には「お知らせ事項」という記載欄があり、身体的に配慮が必要な場合に申告することができます。実は私、当時お腹に第三子がいまして、口述試験日の3週間前が出産予定日だったので、この欄を活用させていただきました。「口述試験に進んだ際は、日帰りで受験ができる午後1時〜3時までに割り当てて欲しいです」と理由を添えて記載した結果、ご配慮をいただき、無事日帰りスケジュールで受験することができました。産後まもない新生児を夫に預け、朝一飛行機に飛び乗り東京に行くことに少々引け目を感じていましたが、試験会場に着くと受付の方が「体調大丈夫ですか?何かあったら言ってくださいね。」と優しく声をかけてくださり、心に沁みました。

【試験会場】
朝9時に羽田空港に到着し、京急空港線で「東銀座」に移動してカフェで時間調整をして向かいました。試験会場の最寄駅である「国会議事堂前」にはカフェやコンビニが少ないで注意が必要です。試験会場の中央合同庁舎内の控え室の近くには、ドトールがありました。庁舎内で働く方々で混雑していましたが、そこで時間を潰すこともできるかと思います。
【試験形式】
今回の口述試験は、例年と形式が大きく異なりました。3つ挙げさせていただきます。
1つ目は、「自分ともう一人の受験生の2人で行動すること」
2つ目は、「試験官がPCから流す録音音声に回答する形式になったこと」
3つ目は、「問題は決められた各科目5問であること」
①自分ともう一人の受験生の2人で行動する
受験時間は4人1組で割り当てられていますが、2科目ごとに部屋が分かれていましたので、最終的に行動を共にするのは自分ともう一人の受験生の2名です。「2人で入室し、それぞれ2科目を受験し、2人で退出。」一緒に隣の部屋に移動し、「2人で入室し、それぞれ2科目を受験し、2人で退出。」で終了です。終了後は、妙な連帯感が生まれていました(笑)ちなみに、自分かどの科目からスタートするかは、当日に控え室の貼り紙で確認することになります。

②試験官がPCから流す録音音声に回答する形式になった
試験官が「一問目行きます」と言い【PCをポチッ】。問題が流れ、回答するというのを5問繰り返しました。隣の受験生の別科目の問題も同時に流れるため、かなり混乱しました。百人一首のように前屈みで耳のすませた記憶があります。
③問題は決められた各科目5問
「分からない問題がでた場合はパスをすれば違う問題を出してくれる」や、「試験官が助け舟を出してくれる」ということがテキストに書いてあったんで、少し甘えていた部分があったんですが・・・そんなものはなく。試験時間は1科目3分。全ての回答が終わり、時間が余れば試験官から「もう一度回答したい問題がありますか?」と聞かれ、回答し直すことができるという形式に変わっていました。試験の公平生に繋がることなんだろうなと思います。
【部屋の様子】
部屋は、30名程度が着席できる比較的広い会議室でした。試験官は各科目2名の4名と監督者が2名の合わせて6名くらいいたような記憶があります。(緊張していて、曖昧です)他受験生と同時に受験しますが、他科目とを隔てるパーテーションなどはなく、他の受験生の回答も丸聞こえでした。自分が回答が先に終わると、もう一人の受験生の問題と回答が部屋中に響きわたりました。(「えっいいと?!汗」)

【問題の難易度】
過去の出題と比べると簡単だったと思います。なんせ、長くつらつら話さなければならない問題がほぼなかったです。採点がどのように行われているかは不明ですが、過去問を完璧にしておけば60%の合格ラインを越えられる内容だと思います。出題された問題↓(私の記憶の範囲です。誤りがあったら申し訳ございません。)
【船舶法】
①船舶法施行細則における船舶の種類を全てお答えください。
(模範回答)汽船、帆船
②総トン数の測度や登記、登録に関する船舶法の規定が適用されない船舶のうち、櫓櫂のみをもって運転する舟、主として櫓櫂をもって運転する舟以外のものをお答えください。
(模範回答)総トン数20トン未満の船舶、端舟
③総トン数の測度申請の申請・提出先はどこかお答えください。
(模範回答)船籍港を管轄する管海官庁
④管海官庁の窓口において船舶国籍証書の交付を申請する場合の手数料の納付方法をお答えください。
(模範回答)手数料納付書に、手数料額に相当する印紙を貼付し納付する。
⑤船舶国籍証書を管海官庁に返還しなければならない場合を全て述べてください。
(模範解答)・船舶登録を抹消した場合
・(記載事項変更又は毀損による)船舶国籍証書の書換により新証書の交付を受けた場合
・(外国の港で碇泊中又は外国に航行する途中に船舶国籍証書の毀損又は記載事項変更により)仮船舶国籍証書の交付を受けた場合
【船舶安全法】
①平水区域を航行区域をとする旅客定員13名の船舶の船舶検査証書の有効期間は何年ですか。
(模範回答)5年
②定期検査は、どのような場合に受検しなければならないかお答えください。
(模範回答)船舶を初めて航行の用に供するとき、または、船舶検査証書の有効期間が満了したとき。
③最大搭載人員について、算入しない年齢は何歳ですか?
(模範回答)1歳未満
【船員法】
①船員法第 91 条第2項に規定される、 船員の負傷又は疾病が治った後に支払わなければならない予後手当の額についてお答えください。
(模範解答)標準報酬の月額の百分の六十に相当する額
②船員法第53条第1項において、給料その他の報酬がその全額を直接船員に支払うこことされているが、法令に規定される場合のほか、どのような場合にその一部を控除して支払うことができるか。
(模範回答)労働協約に別段の定めがある場合
③船員法第 71 条に規定される、船員法第 60条から第69 条までの規定が適用されない船舶はどのような船舶か2つお答えください。
(模範解答)漁船/船員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が国土交通大臣の許可を受けたもの
④船員法施行規則第19条第1項に基づき、船長は雇入契約が成立した場合にあっては、届出書を提出する際に、海技免状又は小型船舶操縦免許証その他の資格証明書のほか何を提示しなければならないか。2つお答えください。
(模範解答)海員名簿/船員手帳
【船舶職員及び小型船舶操縦者法】
①乗組みの特例として、航行の安全を確保することができると認める船舶について、国土交通大臣が乗組み基準によらないことを許可することができる事由を二つ述べよ。
(模範解答)
・ 船舶が特殊の構造又は装置を有していること。
・ 航海の態様が特殊であること。
・ 入渠し、又は修繕のため係留していること。
・ 本邦以外の地を根拠地として専らその近傍において漁業に従事すること。
・日本船舶を所有することができない者に貸し付けられた日本船舶(マルシップ)に(STCW)条約の締約国が発給した条約に適合する資格証明書を受有する者が乗り組むこととされていること。
・乗組み基準において考慮された船舶の航行の安全に関する事項に照らし特殊であると国土交通大臣が特に認める事由。
②海技免状の訂正を申請しなければならない場合について、2つ述べて下さい。
(模範解答)
・本籍の都道府県名に変更を生じたとき
・氏名に変更を生じたとき
・記載事項に誤りがあることを発見したとき
③2級小型船舶操縦士(第一号限定)試験及び特殊小型船舶操縦士試験を受けるために必要な年齢を述べよ。また、いつまでにその年齢に達していなければならないのか述べよ。
(模範解答)
・ 15歳9月以上。
・ 試験開始期日 (試験開始日) の前日までに達していなければ、 受けることができない。
④再教育講習を受けるべき旨の通知を受けた小型船舶操縦者が、再教育講習を受けなければならない期間を述べよ。
(模範解答)通知を受けた日の翌日から起算して1月を超えることとなるまでの間
【合格率】
口述試験の受験者に対する合格率は94%で、例年と同様高い合格率でしたね。合格された皆様、おめでとうございました!これから実務に取り組まれる方も多いかと思います。私もその一人です。一緒に頑張りましょう!

【受験にチャレンジされる方へ】
海事代理士試験は、士業と言われる国家試験の中では、記述の穴埋め問題や口述試験はあるものの、比較的捻りが少ない出題傾向にあるのかなと思います。20科目という科目の多さに絶望することもあるかもしれませんが、めげずに過去問を繰り返し解いてみてください。めげずに続ければ、合格はきっとすぐそこです!頑張ってください!
来島海事事務所(文筆:佐野)






