船員の基本訓練が義務になるって知ってた?〜STCW条約と改正船員法について〜
皆さんこんにちは。来島海事事務所です。
2026年2月14日から「船員の基本訓練が義務になる」ということをご存知ですか?
日本が批准することになったSTCW-F条約。この国内担保に合わせ、船員法の一部が改正されました。これにより、基本訓練に関する法律上の位置付けが明確化され、2026年2月14日より船員の基本訓練実施などが義務となります。本日は、この「STCW条約と改正船員法」について詳しく解説していきます!
【STCWって何?】
1967年英仏海峡で起こったタンカーのトリー・キャニオン号座礁事故。これにより船員の資格及び技能に関する国際基準の必要性が訴えられ、国際海事機関IMOで採択されたのが、STCW条約です。船員の訓練及び資格証明並びに当直基準に関する国際条約です。

STCW条約は、旅客船や貨物船といった商船の船員を対象としており、漁船の船員は適用を除外されています。そこで日本は、漁船員向けのSTCW-F条約に批准し、2月から効力が生じることになりました。

【なぜ船員法の改正が行われたの?】
これまでSTCW条約を担保するため、船員労働安全衛生規則第11条を根拠に、基本訓練の実施については通達により運用されていました。今回STCW―F条約に批准することになり、その国内担保に合わせ、基本訓練に関する法律上の位置付けを明確にするため、船員法を改正されることになりました。

【どんな改正がされたの?】
主に3つあります。
①全ての船員に対して基本訓練の実施が義務に
船舶所有者は、雇入契約締結後、遅滞なく、「生存訓練」「消火訓練」「応急訓練」「安全社会訓練」を座学で実施する必要があります。
②特定雇入契約の船員に対して実技講習の実施が義務に
特定雇入契約に該当する船員は、生存訓練・消火訓練において、登録実技講習機関において5年おきに実技講習を受けなければなりません。特定雇入契約に該当する船員とは、ご覧の通りです。

③実技講習機関は登録制
登録は3年ごとの更新制です。

【どんなことに注意すればいい?】
雇入届出時が修了証が必要
地方運輸局等への雇入届出時に船舶所有者が発行する基本訓練修了証や登録実技講習機関が発行する講習修了証の提示が必要となります!訓練が未完了のままでは、手続きが進まなくなりますよ。早めの受講計画も大事ですね。
実施記録が必要
続いて、船舶所有者は、訓練の実施記録を事務所に備えおき毎年運輸局へ報告する義務があります。誰がどう管理していくかを決めるのも大切ですね。
予算を計上しておく
最後に、実技講習費用をあらかじめ会社の予算に計上しておくことも重要です。実技講習は、生存訓練・消火訓練合わせて一人15万円程度かかります。また5年おき受講が必要ですので、費用も5年おきに発生することもお忘れなく。
【最後に】
「費用がかかる」「手続きが面倒になった」と感じる方もいらっしゃると思いますが、万が一の危険が迫った際の命を守るための訓練です。2月14日の施行に向け準備を進めていきましょう。

来島海事事務所



